■ 解説
パリのオペラ座を訪れた際に見た地下の湖にインスパイアされたガストン・ルローが執筆した小説「オペラ座の怪人」は、1911年に出版される。1925年にユニバーサル・フィルムにより映画化されて以来、さまざまな形で製作され多くの人に親しまれてきた。
1984年、イギリス人の作曲家アンドリュー・ロイド・ウエバーは、ケン・ヒル演出による劇場版「オペラ座の怪人」に刺激され、それまで多くの作品を共に手掛けて来たプロデゥサーのキャメロン・マッキントッシュに連絡し、同作品のミュージカル化を相談する。演出家にハロルド・プリンスを迎えて製作がスタートした。ウエーバー自身は作曲に加え脚本も執筆するほどの入れ込みようだった。
1986年、ロンドンで開幕し、第一幕の最後にシャンデリアが落下するシーンが話題となった。そして1988年にニューヨークのブロードウエイ入りを果たし、最優秀作品賞を含むトニー賞7部門を獲得。開演から10周年以上を迎えた今でも人気は不動で、古さを感じさせないミュージカルを代表する作品で有る。
■ あらすじ
パリのオペラ座に棲むファントムは、若く美しい歌姫クリスティンに心魅かれている。クリスティンは再会した幼馴染みのラウル子爵の夕食会を断わり、「音楽の天使」から歌のレッスンを受けるためにオペラ座の地下深く降りて行く。
彼女は「音楽の天使」の素顔が見たくなり仮面を剥いでその醜い素顔を知る。ファントムは怒り、彼女を地下の棲みかに閉じ込めるが、クリスティンの心にいつか自分への愛が生まれる事を望み地上へ戻す。
しかし、オペラ座の屋上でクリスティンはラウルに、醜いファントムの存在と地下の湖の世界のことを話してしまう。それを蔭で見ていたファントムは、クリスティンの裏切りを嘆き、怒り、オペラ「イル・ムト」に主演しているクリスティンの足元にシャンデリアを落とすのだった。
6ヶ月後の大晦日。仮面舞踏会に現れたファントムは、新作オペラの楽譜を置いていった。その後「主役をクリスティンにするように」と指示した手紙が届く。皆はファントムを罠に掛けるチャンスだと画策する。しかし、オペラの上演中、ファントムにクリスティンを連れ去られてしまう。ラウルは、クリスティン救出のためにオペラ座の地下へと降りて行く。しかし、ファントムの罠にかかり捕われてしまう。「ラウルの命と引き変えに私の愛を受け入れるか」と迫られたクリスティンは、ファントムに哀れみを込めた長いキスをするのだった・・・・・。